冬休み前の古賀研究室


水戸・偕楽園にて
by kogaj
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表現するって難しい 二木

お前の嗜好はマニアックだ、と結構人から言われます。言い方は悪いですが、この作者は頭がおかしい、と思ってしまうような珍妙な表現がぽんぽん飛び出してくる作品が好きなのです。

アングラだ何だと渋い顔をされることもありますが、これをこう表現するのか、と自分にはない発想を得られるのが楽しい。ただそれも、理解の範疇をぎりぎりかすったときに生まれる喜びであって、何でもいい訳ではありません。

年末のことになりますが、弟が借りてきためちゃくちゃマニアックな映画を見ながら、何か違うよな、と思いました。弟はサブカル系ミュージシャンがおすすめだと言うから借りたらしいのですが、難解すぎて何が言いたいのか全く分からず。見終わって二人でぽかーん。

60年代の世界中の社会運動の流れを絡めたものだったのですが、そもそも伝える気がこれっぽっちも見えない。雰囲気映画にもなりきれていないというか、寧ろどことなく前衛ぶっているのが鼻につく。当時の社会情勢の知識があれば見方は変わるでしょうが、映像表現を全て理解するにはそれでは足りないであろう映画でした。

映画だろうが小説だろうが、各々好き勝手に解釈して楽しむものだと思うので、そこはまあ良いのです。分からなければ勉強して補完すればいい。そういう努力をする気にもならなかったのだから、私たち姉弟とは波長が合わなかっただけのことです。

ただ、あれをしたり顔で人に薦める奴は胡散臭い、エセインテリ・エセ文化人のにおいがする。自分たちのことは棚に上げて、二人で話し合った結果はこれです。

ブランドものを欲しがる人は、単純にそのブランドが好きか、ブランドものを身につけている自分が好きなのであると私は思っています(大抵は両方含んでいるのでしょう)が、それと同じ。映画も、娯楽として消費するタイプと、これを見たという一種のステータスを得るために見るタイプがあるような気がします。

何だかよく分からない思わせぶりな描写を差し込んでおくと、どこからか「作者の意図」なるものを受信した人が現れて、素晴らしい傑作だ!と言い出す。その内に、つまらないよね、とは言い出しにくくなる。このパターンは結構世の中に転がっているんじゃないかと思いますが。

他人に理解できない表現ができたからといって、天才という訳ではないと思います。それが何を意味しているのか誰にも分からなければ、「表現」であるとすら認められない。芸術家の評価は時代によって変動しますが、結局そういうことなんでしょう。

分かりやすく言えばありきたりだと言われ、斬新過ぎると理解されない。表現するって本当に難しい。
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by kogaj | 2011-01-10 00:09 | ゼミ生
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