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情けは人のためならず


情けは人のためならず。こんな諺がある。最近の若者にこの意味を聞くと、「他人に情をかけてあげるとその人のためによろしくない」「情をかけてあげない方がいい」というのが意味という応えがかえってくるそうだ。私も授業で学生に聞いてみる。確かにそうだ。

だが、本当の意味は必ずしもそうではない。人のために情、つまり温情をかける、困った人を助けてあげる、これは、その人のためにしているのではないというのがその趣旨である。では、誰に対してか。

例えば、君が周りの人に温かく接してあげるとする。すると、優しく接された人もまた、周りの人に愛情をもって臨む。そういう連鎖が続く。回り回ってそれは自分に戻ってくる。つまり、情をかけるのは、他人のためではなく、自分のためなのであるというのが、その論理であり、中身なのである。

「情けを掛けるのは結局は、自分のためなのだよ」という思想である。これは仏教の輪廻の思想に相通じるものかもしれない。今回の地震でこのことわざを肌で感じている。

安否を確認する連絡をいただく。判で押したように、「何か送ってあげようか」「不足しているものはない」こんな温かい励ましをいくつもいただく。ありがたい限りである。当面はなさそうだから、お気持ちだけを頂戴している。乾電池がないのだけど、これはなくても何とかなる。
by kogaj | 2011-03-17 09:49 | 日記

加齢で難聴になった高齢者が手話に挑戦する日々をリポートします

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