2011年 03月 21日
仁科明子
最近、テレビの画面で女優の仁科明子様にお目にかかることが多くなった。お歳を召したけれど往年の美貌は今なお失われていない。彼女が登場したのは、確か、私が高校に入った頃だった。後にピアニスト中村紘子のダンナになる庄司薫が芥川賞をとった「赤ずきんちゃんさようなら」がNHKでドラマ化された時の主役だった。
それまでは、ほとんど知られておらず、わずかこの1作でかなり有名になった。私もその優雅で都会的な、キラキラ輝く雰囲気に参ってしまった。文字通りファンになったのである。だが、その直後から、不倫騒ぎに巻き込まれ、というか、自分からそちらに走ったのであるが、芸能界から姿を消していた。残念に思ったのは私だけでなかっただろう。
その仁科明子が、地震以降、テレビ報道で頻繁に目にするようになった。これは別に悪いことではない。それもテレビ局で組織される公共広告機構(AC)のコマーシャルである。最近は、見飽きたから、これが出ると、チャンネルを変える。だが変えても同じ映像なのでげんなりする。
そこで疑問を持った。なんでここに来てACが頻繁に登場するのだろう。最初は年度末だから予算消化でやっているのか、と思っていた。だが、そうでもないようだ。あまり気がつかないのであるが、AC以外の他のコマーシャルが目に付かない、つまり放映していないのである。
今回の地震で企業がコマーシャルの放映を自粛しているようだ。その結果が、ACの連発なのである。友人はブログで、「ACという言葉が耳にこびりついてしまった」とぼやいていた。まさにそんな感じ。
地震報道が一服したら東電はどんなコマーシャルを流すのだろうか。かつてのファンヒーターで犠牲者を出した松下電器のような無味乾燥なやつを延々と流すのだろうか。
by kogaj
| 2011-03-21 16:02
| ジャーナリズム