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マリー・コルビン


マリー・コルビン_c0018010_7141145.jpg米コロンビア・ジャーナリズム・レビュー(CJR)誌を購読している。きちんとしていない米国らしく、定期的に送ってこない。来ないなあ~と思っていると3か月前の号が届いたりする。優れたサービスが提供される日本に慣れすぎたのかもしれない。英国では少なくともこうではなかった。ちゃらんぽらんと感じた局面は少なくなかった。

そのCJRにちょっと驚くような記事が掲載されていた。CJRは、優れた報道に送られる米ピュリッツア賞を選考する母体である。この賞は、19世紀の末、米国で猛威を振るったイエロージャーナリズムを主導するジョセフ・ピューリッツアがコロンビア大学に巨額の資金を寄贈、これを基に創設された賞である。

最近号には、タイトルのマリー・コルビン記者の追悼記事が掲載されていた。この記者は、従軍記者として世界的に有名で、英サンデー・タイムズの記者として戦争・内乱の現場で記事を送り続けると同時に、BBCやCNNなどへ生のリポートを送っていた。世界的に知られる記者である。

その風貌がまた、いい。独眼竜である。スリランカの内戦を取材している最中に手りゅう弾の攻撃を受け、左目を失った。その命を懸けた報道はまさに神がかり的で、英国のジャーナリストの供与される内外の賞を多数獲得していた。

その彼女が、いま内戦に突入したシリアの取材中に犠牲となったのである。命かけたこうした報道があるからこそ、私たちは、シリア情勢の肉薄した記事を読める。いなかったら何もわからない。戦場取材に向かう世界のジャーナリストたちは今、喪に服している。
マリー・コルビン_c0018010_7151254.jpg二つ目の写真は被弾前の姿
by kogaj | 2012-06-15 07:06 | 大学

加齢で難聴になった高齢者が手話に挑戦する日々をリポートします

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