リーゼ・マイトナー

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『原子爆弾』の本は、原子、電子、中性子、陽子、電磁波、光子など物理学で登場する基本的な問題を易しく解説してくれる。いまでこそ物質は、原子、電子、中性子などにより組織されているものだと教科書に書いてあるが、ほんの100年ほど前までは、分からなかったようである。そこに登場するのが核分裂の発見で大きな功績のあったオーストリア出身のユダヤ人研究者リーゼ・マイトナーさんである。

戦争に翻弄された悲劇の物理学者といえよう。登場するのは、核分裂など原子核の構造を解明する過程で、大きな役割を果たし、ドイツへわたり研究を重ねていた。大発見の直前で、ヒトラーのユダヤ人政策で追われ、スウェーデンに逃げて、研究生活を続ける。共同研究のオットー・ハーンは、そのままベルリンで研究を続行する。

分からないことがあると、マイトナーに書簡で助けを求め、それに応じていた。その結果、核分裂という現象を発見し、1944年の化学賞を受賞した。ヒトラーのユダヤ人政策も影響しているのだが、受賞時にオットーは、マイトナーの名前について一言も触れなかった。自分一人でこぎつけたというのである。

だが、それは、それは、本当ではなかった。マイトナーなしでの偉業達成はなかったのである。マイトナーは、物理学会の大御所ニールス・ボーアなどによりたびたちノーベル賞候補に推薦されたが、受賞することになった。のちに発見された109番目の元素名に、マイトナーの業績を記念してマイトネリウムと名付けた。この時、オットー・ハーンの名前はなかったのである。


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by kogaj | 2018-04-09 09:26 | 日記

水戸・偕楽園にて


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